カウントからベクレル値を推定する

ベクレル == 毎秒あたりの崩壊数
毎秒あたりのカウント数 = 毎秒あたりの崩壊数 x γ線放出率 x GM管通過率 x γ線検出率
 400ml紙コップの場合(78φ~56φ 110高さ)
           = 毎秒あたりの崩壊数 x 1.56 x 0.035 x 0.01
よって
毎秒あたりの崩壊数 = 毎秒あたりのカウント数/(1.56 x 0.035 x 0.01)
         = 毎秒あたりのカウント数 x 1840

もうすこし試料増やします。
 1l容器(114φ~86φ 165高さ)の場合
毎秒あたりの崩壊数 = 毎秒あたりのカウント数/(1.56 x 0.019 x 0.01)
         = 毎秒あたりのカウント数 x 3412
これから、 測定限界の予想値は 44 Bq/l~100 Bq/l

この推定のうち、γ線検出率の精度は低い。

測定限界の推定

20mm厚の鉄板で遮蔽し、30分測定するときを想定する。
バックグラウンドのばらつきは 15カウント程度。 5%有意でa測りたいので、この2倍程度が測定限界→30カウント
この30カウントはどの位の放射能原によるか
試料容器   上径 下径  高さ 体積   通過率 倍率  崩壊数           Bq       
紙コップ   78  56    110  330ml  0.035  1840  30x1840= 55200  55200/1800 = 30 100 Bq/l 
1リットル 114  86    165  1300ml  0.019  3412  30x3412=102360 102360/1800 = 59  44 Bq/l 
金鳥蚊取り 125 125     90  1104ml  0.024  2677  30x2677= 80310  80310/1800 = 45  40 Bq/l 
1l逆立ち   86 114    165  1300    0.016  4066
ふむ、、、、
    同じ体積、高さならGM管側が太い方がよい。

バックグラウンド

我が家のbackground(10分積算) 335 361 335 323 337 332 336 290 310 325 357 318 329 343 333 334 327 327 366 327 327 361

           平均  不偏分散の平方根(標準偏差の期待値)
 素でのBG      333   17.3
 20mm鉄での遮蔽時の 166    8.6 遮蔽率 50%程度、標準偏差も50%。ん? 1/√2 = 70%か?
 測定30分のとき      999   15    3倍測定するから√3倍のばらつき   すると 20だ

γ線放出率

Ce-137だけの場合は、
95%
しかし、Ce-134も無視できない量 (ほぼ等量 linkの別表5)あるようだ。
Ce134のγ線放出率は 218%(一回の崩壊で複数のγ線が出る)
以上から Ce137、Ce134 が同じベクレル等量で存在する時の1崩壊当たりのγ線放出率は 156%

γ線検出率

一般的に1%以下と言われているが、「以下」が付くと計算できない。他の方法で推算してみる。
推定に用いる情報。
  1. マニュアルの更正方法の記述。 33,400 CPM、100μSv/hr
  2. 3.1 表面汚染の検査に良く用いられる大面積端窓型GM計数管の場合での考察
    http://www.aist.go.jp/aist_j/rad-accur/pdf/case_study_1_table_e.pdf
とおもったら、これだめだ。α、βも含めた表面汚染の場合のだから、使えない。
とりあえず 1% で試算することにする。

GM管を通過する放射線の割合の推定

直径45mmのGM管の直下に置かれた円柱状の試料から放射されるγ線のうち、GM管を通過するものの割合を推定する。
  1. 試料は紙コップに詰める。 紙コップはダイソーにて購入した 400ml入り。上 78φ 下58φ 高さ 110。これをGM下25に置く。
  2. GM管半径を R_GM とする
  3. 試料半径を R_S とする
  4. 試料はGM管直下 h_0 -- h_1 に置かれているものとする
試料各部分から放射されるγ線は全球(4π 立体角)に均一に放射される。そのうち半径R_GMな円盤に届くのは、放射点から見た円盤のなす立体角 Ω の全球に対する割合 Ω/4π である。
  1. 円盤から十分離れていないので、「近似だめだね、で没」の方法では誤差が大きい
  2. 解析的に解くのはとても大変そうなので、数値積分的に解いてみる。実寸法でやる。
  3. 円盤からの距離 h、中心からの距離 0 のとき
    頂点の角度2αは cos2α=(h^2 - R^2)/(h^2 + R^2) --- 余弦定理から
    cosαは h/sqrt(h^2+R^2)
  4. 円盤からの距離 h、中心からの距離 r のとき楕円に見える。
    長軸の視野角はほぼ 2α。 短軸の視野角2α'のcos は X=(h^2+R^2+r^2-2rR)(h^2+R^2+r^2+2rR) と置くと
    cos2α'=(h^2-R^2+r^2)/sqr(X) 。この視野角の比 α'/α の分立体角が減る。
  5. 立体角は r=0 では 2π(1-h/sqrt(h^2+R^2)) 、 r では 2π(1-h/sqrt(h^2+R^2)) x α'/α
  6. γ線が円盤を通過する率は r=0 で 0.5 (1-h/sqrt(h^2+R^2))。 rでは 0.5 (1-h/sqrt(h^2+R^2)) x α'/α
  7. 単位体積当りのγ線放射数を γ とすると、半径rな所の単位厚み,単位 幅なドーナツの 体積は 2πr だから、ここから放射されて、円盤を通るγ線の数は
    πr(1-h/sqrt(h^2+R^2)) x α'/α
  8. ここで h=25~135, r = [0,0.5,1.00,1.50, 2.00] x R な場所での立体角πr (1-h/sqrt(h^2+R^2)) x α'/α を求めると
    立体角    0.00   0.50   1.00   1.50   2.00  
          25  1.613  1.492  1.171  0.803  0.532 
          50  0.553  0.533  0.480  0.408  0.334 
          75  0.265  0.260  0.246  0.225  0.201 
         100  0.153  0.151  0.146  0.139  0.129 
         130  0.092  0.091  0.089  0.086  0.083 
    
  9. これを用いてドーナツから出て円盤を通るγ線の数を求めると
    γ線数    0.00   0.50   1.00   1.50   2.00  
          25  0.806  9.141 13.755 13.953 12.232 
          50  0.277  3.267  5.635  7.082  7.682 
          75  0.132  1.592  2.887  3.907  4.615 
         100  0.077  0.928  1.720  2.408  2.966 
         130  0.046  0.560  1.052  1.503  1.899 
    
  10. この方法で、r方向1mmづつ計算して数値積分すると
          25    404.4
          35    272.8
          45    188.1
          55    133.4
          65     97.1
          75     72.3
          85     54.9
          95     42.4
         105     33.2
         115     26.3
         125     21.1
         135     17.0
       総計  13629.9   hの差分10を乗じてある
    
  11. 全厚みから円盤を通る放射線数は 13629.9γ (γ は1mm 立方から放射するγ線数)
  12. 試料の全体積は 1/3π( 39^2 * 390 - 28^2 * 280) = 391300 だからここからは391300γ放射。
    よって通過率は 13629.9/391300 = 0.035 3.5%

1l容器(114φ~86φ 165高さ)の場合

      総計       24504.8   
      試料体積 1304373.6
      通過率      0.019
      補正係数  3412.132

近似だめだね、で没

  1. 頂点の角度2αな直円錐の立体角は Ω = 2π(1 - cos α)
  2. この円錐の頂点をθ傾ける。楕円錐というのかな、この立体角は 2π(1 - cos α)cos θ
      これでは駄目だ。R_GMに対し h,r が十分大きくないとこれは成り立たない。。。。   でもしかたない、当面これで進める
  3. これらから、GM管の h 下 r 横にずれた位置からの立体角は 2の式に下を代入する。
    cos α = h/sqrt(R_GM^2 + h^2)、cos θ = h/sqrt(r^2 + h^2)
試料単位体積から単位時間に放射されるγ線の数を γ とする。
  1. GM管から h 下 r 横にずれた位置にある単位厚みのドーナツの体積は 2πr
  2. 放射されるγ線数は 2πrγ
  3. そのうちGM管に届くのは、2πrγ x Ω/4π すなわち
    2πrγ x 2π(1 - cos α)cos θ / 4π = γπr(1 - cos α)cos θ
  4. よって、GM管下 h の単位厚みの半径 R_Sな円盤からでる放射線がGM管を通るのは
    ∫(γπr(1 - cos α)cos θ) dr (r=0..R_S)
  5. 高さ h_0~h_1 だと ∫∫(γπr(1 - cos α)cos θ) dr dh (r=0..R_S, h=h_0..h_1)
  6. これに cos α = h/sqrt(R_GM^2 + h^2)、cos θ = h/sqrt(r^2 + h^2) を代入すると
    む、、、、難しい。。。

余弦定理から角度を求める

三角形の二辺の長さ a,b とその角度 α から残る1辺の長さ c の関係は
a^2 + b^2 - 2ab cosα = c^2
底辺 2R 高さ h だから、頂点の角度2α は (h^2 + R^2) + (h^2 + R^2) - 2*sqrt(h^2 + R^2)*sqrt(h^2 + R^2)cos2α = 4R^2 これから cos2α=(h^2 - R^2)/(h^2 + R^2)

以下めも。未整理 1000Bq のものは 毎秒何カウントするか 1000Bq は毎秒1000個崩壊する カウント数 = 1000 x γ線放出率 x 検出器通過率 x γ線検出率 γ線放出率 = セシウム137 95% http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0137 セシウム-134 100% http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/12.html γ線検出率 明確な数字がみつから無いので、下の推定を行う     Inspectorのマニュアルの電気的更正によると        31,423PPM(パルスper分) で 33,400 CPM、100μSv/hr        放射線がエックス線又はガンマ線である場合   http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k20001023001/k20001023001.html   第二十六条    E=fxD    〔この式において、E、fx及びDは、それぞれ次の値を表すものとする。     E 実効線量(単位 シーベルト)     fx 別表第四の第一欄に掲げる放射線のエネルギーの強さに応じて、第二欄に掲げる値     D 自由空気中の空気カーマ(単位 グレイ)〕     Se137は 662 keV     0.600MeV  1.024 と 0.800MeV  1.010 の間 検出器通過率 45φの検出器の中心から縦方向 h 半径方向 r 離れた点から見た検出器の視直径     半頂角 θ の円錐の立体角(平方度)は、 360 \cdot {180 \over \pi} \left(1-\cos\theta\right) = 20626.48\left(1-\cos\theta\right)
360 \cdot {180 \over \pi} \left(1-\cos\theta\right) = 20626.48\left(1-\cos\theta\right)